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ステイホームで飲酒量が増えていませんか?

2020.06.11

氏名 稲葉 佑介【総合診療科】
経歴 群馬大学医学部卒業
東京女子医科大学病院 総合診療科入局
東京女子医科大学病院 医局長

適正飲酒量を知っていますか?

通常のアルコール代謝能を有する日本人においては「節度ある適度な飲酒」として、1日平均純アルコールで約20gとされています。
さらに、女性は男性よりも少ない量が適当であるとされています。
(厚生労働省ホームページより)
ビールならば中ジョッキ1杯に相当する量です。
アルコール含有量は
『お酒の量 (ml) ×{度数(%) /100}× 0.8』で計算されます。
自身のアルコール摂取量を計算してみましょう。

お酒の代謝能力

お酒に対する強さはひとりひとり違うため、お酒は自分のペースで飲むことが何よりも大切です。アルコールで臓器に障害をきたすのは、むしろ「お酒に強いといわれる体質」の人であることに注意が必要です。

飲酒の健康への影響

酒は百薬の長なのでしょうか?
「少量なら体にいいんでしょ」というあなた・・・
残念ながらこうしたデータは1990年代までのものなのです。
少量の飲酒は心筋梗塞のリスクを下げることが確認された一方で、脳卒中や大動脈瘤、致死性の高血圧性疾患のリスクを有意に上昇させ、総合的には寿命を縮めていると報告しています。

健康診断を活用しましょう

健康診断では、特にγ-GTP・AST(GOT)・ALT(GPT)の値をチェックしましょう。
お酒により最も影響を受ける検査項目はγ-GTPです。γ-GTPの数値が高い状態は、肝臓に負担がかかり過剰に分泌されたり、肝臓から血液中に漏れだしている状態をいいます。
・50以下→正常範囲です。
・50~100→肝臓に負担がかかり始めています。
・100~200→真剣に節酒を考えるタイミングです。医療機関を受診しましょう。
・200以上→肝炎も疑います。すぐに医療機関を受診しましょう。


【View39】一度の採血で39項目のアレルギー検査が可能です!

2020.02.28

Viewアレルギー検査とは?

少量の採血でアレルゲンに対する特異的IgE測定ができる新しいアレルギー検査です。
Viewアレルギー39ではなんと39項目のアレルゲンに対する検査が可能です。問診や臨床所見からアレルゲンの推定が難しい方にお勧めの検査です。

アレルギーの原因は?

アレルギーを引き起こす原因アレルゲンは人によって様々です。
また、アレルギーの原因は1つとは限らず、複数のアレルゲンが原因となることもあります。

原因を知ることが、アレルギー治療の第一歩

アレルギー疾患では原因アレルゲンを正確に特定することが重要です。なぜなら、ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎/結膜炎では原因アレルゲンの除去・回避と薬物療法、食物アレルギーでは原因食物を食べないことが原則だからです。

Viewアレルギー39項目

【吸入系・その他】

ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト、ネコ皮膚、イヌ皮膚、ガ、ゴキブリ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、アルテルナリ ア、アスペルギルス、カンジダ、マラセチア、ラテックス

【食物系】

卵白、オボムコイド、ミルク、小麦、ソバ、米、エビ、カニ、大豆、ピーナッツ、鶏肉、牛肉、豚肉、マグロ、サケ、サバ、キウイ、リンゴ、バナナ、ゴマ


アレルギー度チェックシート

©Thermo Fcientific Scientific

一つでも当てはまる項目があれば、アレルギーがあるかもしれません。


検査料金

9,000円(税別)

検査を希望される方は、 03-3516-7151までお電話いただき予約状況を確認の上、ご来院ください。
【外来診療】【健診・人間ドック】、どちらででもおこなっております。
尚、当クリニックは予約制となっておりますので、ご了承ください。


ヘアピンをつけたままMRを撮影したら・・・

2019.11.28

MRI検査を受ける際に、「全身に身に着けている金属を外してください」と患者様にお願いをしています。ではもし、金属を身に着けたままMR室へ入ってしまい、検査を行うとどうなってしまうのでしょうか?
 
頭にヘアピン(金属)をつけたままの写真を以下に示します。
(実験として、安全に配慮しながらスタッフがピンを頭に張り付けて撮影しました。)

図1の正常画像に比べ、図2の画像が黒く抜けてしまっていることが分かるかと思います。
もしこの部分に病変があったとしても、診断することは難しくなってしまいます。
この他にも、
・金属が熱を持ち、患者様が火傷をしてしまう可能性
・装置に金属がひっぱられたり跳ね返ったりして患者様に当たって怪我をする可能性
・装置に金属が入り込み装置が壊れて検査ができなくなってしまう可能性
などがあります。

【画像が欠損してしまう物の例】
・入れ歯
・歯科矯正
・ヘアピン
・ふりかけるタイプの白髪染め
・増毛パウダー
・ホッカイロ         などなど…

ぜひ、MR検査を受ける際は必ず全身の金属を外していただくようにお願いいたします。


【MRI室に金属を持ち込んではいけない理由】
・金属がMR装置にくっつき(または跳ね返り)、大けがをしてしまう
・金属が発熱し、火傷の原因になってしまう
・磁気カード、腕時計などは壊れてしまう可能性がある
・MR装置に金属が張り付き、装置故障の原因となる
・画像が欠損し、診断の支障となる


脳をいつも若く保つために

2017.06.26

氏名 河村 弘庸【脳神経外科】
経歴 元東京女子医科大学 脳神経外科教授
淑徳大学非常勤講師


ドクターコラムで前回は、男の脳と女の脳の違いについてお話ししましたが、今回は皆さんが日ごろから関心を持たれていると思われる話題を選んでみました。ボケないでいつまでも元気にいたいのは、誰しも考えるところです。

ご存知のように、脳はいとも簡単に、高次機能を遂行し、豊かな感情表現を醸しだします。
これらは、総て脳の神経細胞の働きによるものです。従って脳の神経細胞の特性からお話を始めたいと思います。

(図1)

私たちの身体は約60兆個の細胞から形成されていると言われていますが、爪や髪の毛をみると、伸びたり、生え替わります。骨折しても新しい骨が出来て治ります。即ち、組織を再生させる力があるからです。
しかし、図1を見てください。脳の神経細胞は140億しかないのに、毎日10万個も死滅し続け、再生能力はありません(ただし最近の脳科学では一部の神経細胞に再生能力があることが分かりました)100歳では20%も減少して仕舞います。(図2)

(図2)

加齢とともに神経細胞が減少し続けるのでは、大変一大事と思われますが、心配は無用です。
脳は環境の変化によく順応し、神経細胞は減少しても、神経細胞の結び付き(神経回路の形成、再生)が変化して新たな働きを生み出します。訓練や経験によって新たに神経回路の形成が促進されるのです。

(図3)

少し難しい表現になりますが、脳科学では、「終末開放性」と言って何歳になっても神経細胞のネットワークは再生され終わりがありません(図3)。
表題に「脳の老化」としましたが、皆さんを脅して適切な表現ではありませんでした。
脳の特性をご理解いただいたところで、「脳をいつまでも若く保つための」本題の前に、やはり認知症の正しい理解が必要と思いますので、少しお話ししましょう。一般的には、物忘れ、思い違いがあると認知症の始まりかと思われていますがそうではありません。認知症とはどんな事か?説明したいと思います(図4)。

(図4)

昔の記載では、「認知症」を「痴呆」と表記していましたが、今日では「認知症」に統一されました。これでお分りと思いますが、ヒントがあれば答えられるのは、認知症ではありません。認知症では、関連した事項を示しても思い出せないのです。
もう少し認知症の主な症状を整理してみると、記憶障害、見当識障害、判断力の低下が挙げられます(図5)。

(図5)

即ち、認知症は、脳の部分的な障害でなく、大脳の広い範囲の障害によるものなのです。さて、認知症と言ってもひとつではなく種類があります。図6を見てください。アルツハイマー型と非アルツハイマー型に分けられます。

(図6)

少し難しくなりますが、脳が障害される部位が違います。アルツハイマー型と脳血管性との違いを図7に示します。

(図7)

アルツハイマー型の障害部位は側頭葉内側から頭頂部にかけてですが、脳血管性は主に前頭葉の障害が目立ちます。
第一回目は、脳の神経細胞の特性と認知症についてお話ししました。次回は、「脳をいつも若く保つために」どのように脳を鍛えるかを考えてみます。


パーキンソン病では何故家では旨く歩けないのだろう

2017.04.10

氏名 水野 美邦【神経内科】
経歴 北里大学医学部神経再生医療学特任教授
順天堂大学名誉教授

パーキンソン病の患者さんは、発症から5~10年たつと、外では上手に歩けるのに家に帰るとすり足で歩く方が多くなってきます。何故でしょう? 

踵からついて歩いていれば歩く時殆ど音がでないのに、すり足で歩くとシュッ、シュッ、シュッと音がでます。配偶者の方はこれに気づいていらっしゃると思います。ヒトの正常な歩行は踵から地面につき、つま先は最後に着地するものです。
普通の人はこれを無意識でやっています。ところがパーキンソン病になるとこれを無意識でやることが難しくなります。外で歩くときはある程度の緊張があります。人の目もあるし、ころんではいけないとの気持ちもあります。こうした緊張感が歩き方をよくしてパーキンソン病の方でも外では比較的上手に歩けるのだと思います。

ところが家に帰ると、その緊張感がいっぺんにぬけ、もう誰の目もきにすることはないという気持ちが無意識の中に働くのではないでしょうか?それで歩き方はすり足歩行になってしまいます。すり足歩行で歩くと絨毯の縁などにも引っかかって転ぶ事があります。パーキンソン病の患者さんは家の中で転ぶことが、外で転ぶより圧倒的に多いのです。打ち所が悪いと大腿骨頭の骨折などをおこして寝た切りになることもあります。従って、家でまずころばないようにしようとの固い決意が大切です。それには歩く時踵からつけてつま先は最後に床につけるという歩き方をもう一度練習して、歩く時はいつもこのように歩く事が大切です。ものを考えながら歩くことや、両手にものを持って歩くことは控えましょう。
これらのことは足に神経を集中することの妨げになります。つまり歩いているときはいつも足に神経をむけ、踵、踵と頭のなかでいいながら歩くことが大切です。どうしても踵からあるけない場合は、腿をあげて歩く練習をしましょう。この時腕を軽く振り、顎を軽く上げて進む方向をみながら歩くことが大切です。パーキンソン病では寝た切りになることはまずありません。骨折をしないように歩きましょう。